検索順位チェックツールは必要?クラウドとインストール型の違いって?おすすめは?

こんにちは、甲斐です。

私は普段、検索順位チェックツール「Nobilista(ノビリスタ)」事業責任者をしておりますので、職業柄、Twitter等でSEOや順位計測、順位チェックツールに関する書き込みをよくチェックしています。
そうすると、「順位チェックはするべき?」「順位チェックツールはいる?」といった書き込みをよく見かけます。

そこで今回、何となく「自分が発信してないといけないのでは?」と感じましたので、順位計測をすべきかどうか・計測ツールは必要か?のような情報をお伝えしようと思います。
ただ「順位チェックツールの運営者だから、どうせ『計測は必要です』とか言うんでしょ」と勘繰られるのは本望ではありませんので、できる限り公平な視点かつ、運営者ならではの情報を織り交ぜていきたいと思います。

検索順位の計測が必要だと感じるタイミング

ところで、あなたが検索順位チェックの必要性を実感したのはいつでしょうか?
人それぞれだとは思いますが、以下のような時ではないでしょうか。

  • 自社サイトからの売上やアクセスが低下してきた時
  • 検索エンジンからの集客を強化したいと思った時
  • 検索結果で競合他社のサイトが上位表示されていた時
  • SEO対策を始めてみた時
  • SEO対策の成果が出ないなと感じた時

このような時だと思います。
特に、「売上が下がった」「アクセスが減った」「競合他社が上位表示されていた」などは、自社の経営不振や機会損失にもつながりそうなので、焦りが出てくると思います。
急いでSEO対策を行い、検索からの集客を強化せねばと考えるのが普通でしょう。

しかし、ちょっとだけ待ってください。
別に検索順位の計測が必要ではないかもしれません。

本当に順位の計測は必要か?

そもそも検索順位の計測は工数がかかります。
例えば、手動にせよ・ツールにせよ次のような工程が発生します。

  1. 対策キーワードのリストアップ
  2. キーワードごとの順位チェック(ツールへの入力)
  3. 対策キーワード順位記入用シートの作成
  4. 日々の計測順位シートの更新
  5. 日々の順位変動に対してSEO施策を行う

検索順位の計測を始めるだけで、これらの工程が発生し、今までしなくてよかった業務が増えてしまうのです。
そのため、しなくて良いなら順位計測は行わない方が良いと言えます。

また、そもそも日々の検索順位データをシートにまとめたとして、活用できない場合無駄に終わってしまうことになります。
例えば、以下のように検索順位を毎日記録していきますが、順位が前日より下がったとして、どのように活用すれば良いでしょうか。

Nobilistaのレポート画面

基本的に順位計測は、そこから順位を改善するためのSEO施策とセットになります。
そのため、活用できるノウハウや工数を確保できない場合、特に導入する必要はないのではないかと考えます。

一方、以下の条件を満たすのであれば、順位の計測や、そのためのツールの導入を行うべきであると考えます。

  • 自社のターゲット顧客との接点として検索エンジンは最適である
  • 検索エンジンでWebサイトやコンテンツを露出させるのにSEOを行いたい
  • アクセスや売上を伸ばす手段として検索エンジン経由の集客が相応しい
  • 検索順位データの活用ができる(活用できるようになりたい)
  • クライアントに提出しなければならない

このような場合、Webサイトの対策キーワードごとに検索順位を計測したり、キーワード数によっては順位計測ツールを導入するのが良いでしょう。

順位計測を始める・順位チェックツール導入のタイミングについて

先ほどお伝えした条件を満たし、検索順位の計測が必要であると判断できたら、実際に順位の計測を行います。
ただし、いきなりツールを活用するわけではありません。

まずは手動で順位計測を行い、段階的にツールを導入すると良いでしょう。
その際に押さえておくべきポイントや段階の踏み方、よくある疑問と回答は次のとおりです。

  1. 始めるタイミングはSEOを行い始めた時(またはGoogleにインデックス登録されたら)
  2. 20キーワード程度までは手打ちで順位計測をする
  3. 20〜50キーワードまでは無料ツールを活用する
  4. 50キーワード以上かつ、高度な分析・自動化を行いたい場合は有料ツール
  5. Googleサーチコンソールではダメなのか?

それぞれの項目の詳細を解説します。

始めるタイミングはSEOを行い始めた時(またはGoogleにインデックス登録されたら)

順位計測を始める際、「そもそもどのタイミングで順位計測を始めるべきか?」このように考えがちです。

ズバリ、計測を始めるのが、SEO対策を行い始めたときや、SEO施策を行なったURLがGoogleインデックスに登録されたときです。
もしもあなたの公開したページのURLがGoogleのインデックスに登録されていなければ、毎日毎日順位計測を試してみたところで、検索結果に表示されることはないでしょう。

これでは意味のない努力を続けてしまうだけなので、まずはページがGoogleのインデックスに登録されているのを確認した時に順位計測を始めてみてください。

ちなみに、WebページがGoogleのインデックスに登録されているかどうかを確認する方法は、「site:」というコマンドを利用する方法が良いでしょう。
以下のように、「site:」のあとに、インデックス登録されているかどうか調べたいページのURLを記入して、Googleで検索してみてください。

  • site:https://co.nobilista.com/ja

もし、該当のWebページがGoogleに登録されていれば、以下のように検索結果に表示されます。
このような場合、検索順位の計測を始めてみても良いでしょう。

ちなみに、Googleにページが登録されていない場合は以下のような表示になります。
このような場合は、順位云々の前に、Googleインデックスに登録させるための施策が必要になります。

Googleインデックスに登録されない問題を解決したい場合は、こちらの記事「インデックスされない問題の原因と解決方法」が参考になると思います。

10キーワード程度までは手打ちで順位計測をする

あなたがこれから順位計測を行おうと思っているキーワードの数が、10個程度までであれば、手打ちでの順位チェックを推奨します。
と言うのも、手打ちで順位チェックを行うことで、定期的にターゲットとなるキーワードの検索結果を見ることになり、さまざまなSEO感性が磨かれるからです。

例えば、手打ち検索で順位チェックをすると、次のような感性が磨かれます。

  • 検索上位の顔ぶれやtitle・コンテンツの傾向を察知できる
  • 上位の顔ぶれから逆算し、検索ユーザーの検索意図・背景が想像できる
  • 日々の順位の入れ替えにより、どのようなサイトが評価されているかをリアルタイムで把握できる
  • 自然検索リスト以外の要素(画像、動画、強調スニペット)などの出現に伴うユーザー体験の変化

これらはSEOを進める上で必要な能力だったりするので、キーワード数が少ないうちは手打ちかつ目視で検索結果を見るようにしてみてください。

なお、Googleの検索結果は過去の閲覧履歴や位置情報等によって、個別最適化されています。
例えば、過去の閲覧履歴に基づき50位のサイトが3位に表示されるなどの調整が行われます。

このような検索結果ではフェアな順位計測はできませんので、過去の閲覧履歴を伴わない設定で検索結果を見るようにしましょう。
Google Chromeであれば「シークレットモード」、Safariであれば「プライベートウインドウ」です。
このようなモードで検索をすることで、より正確な検索順位を把握することができます。

30キーワードまでは無料ツールを活用する

対策キーワードが増えてきたら、無料ツールの利用も検討しましょう。
具体的には、10〜30キーワードの順位計測には、以下のような無料ツールの利用がおすすめです。

ただし無料ツールは利用制限(キーワード数、利用回数)があります。

つまり、1つのツールでは30個のキーワードの順位計測を行うことができません。
そのため、いくつかの無料ツールを併用しながら、順位計測を行うと良いでしょう。

30キーワード以上かつ、高度な分析・自動化を行いたい場合は有料ツール

さらにキーワードが増えてきたら有料ツールも検討しましょう。
計測キーワードが増えてきた場合、手打ち検索や無料ツールを活用しながらの順位計測には限界があります。

よって、以下のような有料ツールの利用がおすすめです。

上記のような有料ツールは、あらかじめ登録しておいたキーワードを自動的に計測します。
そのため、1000以上のキーワードの順位計測にも対応できます。

ただし一点気をつけていただきたいのが、ツールの利用方式です。
詳しくは後述しますが、順位計測ツールには「インストール型」と「クラウド型」とがあり、一長一短です。

自社の使用メンバーや活用方法に基づきどちらを選ぶ必要があるため、この後お伝えする「検索順位チェックツールの選び方」を参考にしていただければと思います。

Googleサーチコンソールではダメなのか?

順位計測ツールの代替として、Googleサーチコンソールを利用するという手もあります。
Googleサーチコンソールであれば、毎日自動的に順位計測をしてくれるし、何より無料なため、一見すると有料の順位チェックツールよりも優れているように思います。

ただ、私の見解として、Googleサーチコンソールは以下のような理由から、順位チェックツールと置き換えることは難しいと考えます。

  • 定点観測の観点
    Googleサーチコンソールはあくまでも、1回以上検索結果に自社のWebページが表示された時にのみ、順位情報を吐き出します。そのため、検索回数が極端に少ないキーワードにおいて50位未満などの場合、ユーザーが検索結果を閲覧しないため、順位情報を取得することができません。しかし専用の順位チェックツールであれば、登録したキーワードを定点観測できるため、検索ボリュームが少ないキーワードで、順位が低くても正確に順位データを吐き出します。
  • リアルタイム性の観点
    そもそもGoogleサーチコンソールが吐き出す最新の順位情報は、2日前のデータです。すなわち、本日と昨日の順位情報が表示されません。順位データを確認する際、本日・昨日のデータを見ながら、SEOの進捗を確認することが多いため、本日の順位情報が取れないのは痛手であると言えます。一方、専用のツールであれば、本日・昨日の順位情報はもちろん取得でき、前日からどれだけ変化があったのか把握することができます。
  • 正確性の観点
    Googleサーチコンソールの検索順位データは、各ユーザーに最適化された検索結果で取れた情報です。極端な例を言うと、あるユーザーには2位にページが表示され、あるユーザーには50位に表示されている場合、平均順位は26位と表示されてしまいます。これでは実際の順位が分からないばかりか、どのようなSEO施策を行うべきか判断がつきません。正確な順位を取得するという観点で見たとき、専用のツールを利用するのが良いでしょう。
  • リスク観点
    これを言ってしまえば元も子もありませんが、Googleサーチコンソールがいつまでも利用できるとは限りません。Googleアナリティクスのように、一定の猶予はあれど使えなくなったり、仕様が変わってしまう可能性もあります。このようなリスクも孕んでいるため、サーチコンソールだけに依存するのは怖いと言えるでしょう。

※もちろん、GoogleサーチコンソールはSEOツールとして大変優れています。
サーチコンソールでしか取得できない情報は多々あり、あれだけの機能が無料で利用できるのはありがたいことです。
ただ、今回順位計測だけのツールとしてみた時に、使い勝手はイマイチであるという判断です。

有料の検索順位チェックツールの選び方と見ておきたい点

対策キーワードが増え、順位を追いかけたいキーワードが増えたら、有料のツールの導入がおすすめであるとお伝えしました。
ただし、有料の順位チェックツールにも色々とあり、各種メリット・デメリットや、ツールごとにオリジナル機能が備わっています。
また、一部のツールでは「強調スニペット」が圏外と表示され、もう一方では1位として表示されるなど、仕様が異なるため、その辺の理解も必要です。

ここでは、有料の順位チェックツールを利用する際に、少なくとも押さえておくべきポイントをお伝えします。
まずは無料トライアル等を活用しながら、以下の点を確認してみてください。

  1. インストール型とクラウド型
  2. コストパフォーマンス
  3. 順位の正確性
  4. 検索順位以外の指標の取得
  5. 競合Webサイトの順位取得
  6. 利用用途に応じたオリジナル機能
  7. サポート体制

それぞれの項目を詳しく解説します。

インストール型とクラウド型

検索順位チェックツールを選ぶ上で、最初に考慮するべきは利用方式です。
大別すると、次の2つになります。

  • インストール型(例:GRC)
    PCにインストールして利用する方式。ソフトのダウンロードからセットアップまでの一連の作業を経て利用可能。基本的にソフトがインストールされているPCが起動されている間のみ利用可能なため、順位計測を行うためには毎回「順位開始ボタン」の操作が必要。大量のキーワードの計測を行なっても安価である。
  • クラウド型(例:Nobilista)
    Google ChromeやSafariなどのブラウザで利用可能。(PCやスマホ、タブレット問わない)順位の計測を自動的に行うため、PCの起動は特に必要ない。また、PCが故障したとしてもデータが消失することもない。ただし1キーワードあたりのコストは高め。

このように、インストール型・クラウド型にはそれぞれに特徴があります。
自社で利用する場合、どちらが良いかを見極めましょう。

コストパフォーマンス

コストパフォーマンスは、しばしば「安い・安価である」という意味で使われがちですが、本来はそうではありません。
支払った費用に対して、しっかりと価値があるかどうかを指します。
すなわち、たとえ支払い金額が高めだとしても、その分のリターン(得られる効果や便利さ)があるのであれば、そちらを選ぶべきです。

そのような視点で見たときに、クラウド型の順位チェックツールは一般的に高価です。
GRCが495円/月で500キーワード計測できるのに対し、Nobilistaは990円/月で150キーワードになっています。

しかし、ここで「安いからGRCにしよう」と判断してしまうのはよくありません。
例えば、Nobilistaの方が高価ですが、自動的に検索順位を毎日計測できるのであれば、次のような利便性があります。

  • 毎日PCの起動と順位チェック開始の操作が不要になる
  • PCが故障してもデータが消失しない
  • チームメンバー全員でデータを閲覧できる
  • 正月や盆などの長期休暇や法定停電の際もデータに抜け漏れがない

多少高価でも、上記のような利便性に対して価値を感じるのであれば、その分コストパフォーマンスは高いため、クラウド型の順位チェックツールを選ぶべきです。
一方、金額ほどの価値を感じられないのであれば、インストール型のツールで大量に順位計測を行うのが良いでしょう。

順位の正確性

続いて見ていただきたいのが、順位の正確性です。
「専用ツールなのに、順位が正確じゃないことなんてあるの・・・?」と思うかもしれませんが、実はあるんです。

たとえば、以下のようなケースがそうです。

  • 強調スニペットを何位に表示するのかの違い
    検索結果上部に、検索キーワードに対する回答を載せるのが強調スニペットですが、強調スニペットに表示されているWebサイトを何位に表示させるかでも順位が変わってきます。たとえば、Nobilistaの場合、強調スニペットを1位として表示します。そのため、それ以降の順位のWebサイトは1つずつ順位が低くなります。一方、他社のツールでは強調スニペットは圏外(順位がついていない)と表示されるため、強調スニペットにページが表示されていても、そのことが分からないのです。
  • 順位を取得するタイミングの違い
    インストール型の場合、ソフトがインストールされているPCからGoogleなどの検索エンジンに直接順位取得のリクエストをかけます。そのような場合連続で大量のリクエストを出すとスパム判定されてしまうため、リクエストの間隔を空けるように設定されています。すると1キーワード目と1000キーワード目に順位取得をするタイミングが数時間ほど空いてしまいます。検索結果のランキングは毎時間変動していますので、目視でチェックすると1キーワード目の順位がズレてしまうのです。また、クラウド型の場合も毎日朝5時など定時に順位を取得する関係で、10時くらいにツールのデータと実際の検索結果を照らし合わせると、微妙に順位が違う・・・といったこともあります。

このように、専用の順位チェックツールを利用したとしても、完璧にリアルタイムの順位取得を行うことは不可能です。
その中で、実際に無料トライアルなどで試しながら、どのツールの順位が正確そうか(=許容できる範囲のズレか)を確認してみてください。

検索順位以外の指標の取得

検索順位チェックツールには、順位取得以外の機能も備わっています。
例えばNobilistaの場合、以下のようなデータを取得できます。

  • 登録キーワードの月間検索ボリューム
  • 登録キーワードのSEO難易度
  • 登録キーワードにおける現在の順位の場合の想定トラフィック
  • SERP Features(自然検索以外の表示要素:画像、Twitter、ニュースetc)
  • 登録キーワードにおいて100位以内にランクインしているURLの全表示

このように、順位チェックツールと言いながらも、それ以外のデータも取得できます。
ただ、上記のデータについては、本当に自社において必要なのか・・・という視点も必要です。

例えば、検索ボリュームは対策キーワードの重要性や対策優先度を測るにはちょうど良いです。
しかし、一部のWeb制作会社など、キーワードの順位取得はクライアントのために行なっており、特に利用用途がないようであれば不要かもしれません。

もちろん、あるに越したことはないのですが、別になくても良い機能によって料金が嵩むようであれば、機能性の低いツールでも問題ないでしょう。

競合Webサイトの順位取得

競合Webサイトの順位取得を同時に行えるか・・・という視点も重視する必要があります。

SEOは相対評価であり、常にトップ10(またはトップ3)の椅子の取り合いです。
すなわち、競合Webサイトの動向を覗っておく必要があるのです。

自社サイトの順位が低下した場合、競合のどこかが順位上昇しています。
ただ、一般的な順位チェックツールでは、自社の順位は分かっても、競合のうちどのWebサイトの順位が上昇したのかを把握できません。
※競合サイトの順位を取得する場合、その分の料金が発生してしまいます。

どこのWebサイトの順位が上昇したかが分からないということは、今の検索エンジンで「良い」とされるWebサイトの傾向が把握できないということです。

一部の順位チェックツールには、追加料金なしで競合Webサイトの順位を同時に取得できる機能があります。
例えば、Nobilistaには「競合比較レポート」があります。

順位チェックツールを選択する場合、追加料金なしで競合サイトの順位取得できる機能があるかどうかも確認してみてください。

利用用途に応じたオリジナル機能

順位チェックツールには、各社それぞれ独自の機能があります。
機能によっては、ある特定の業種にとってありがたいものもあり、自社の利用方法に合致したものを選ぶと良いでしょう。

いくつか例を挙げてみます。

  • 順位変動アラートメール
    検索順位を計測し終えた際、前日よりも順位が一定以上変化したキーワードについて、登録メールアドレスに通知してくれる機能です。例えば、「前日よりも3つ順位が下がった場合、そのキーワードのリストをメールで知らせる」といった設定をあらかじめ行なったおくことで、ツールを開くことなく順位の変動を把握できます。
  • 共有用URL
    GoogleスプレッドシートやFigmaなどのように、共有用のURLを発行し、ログイン不要でURLからレポートを閲覧できる機能です。SEO代理店や制作会社などで、クライアントに対して順位情報を共有するような場合に便利であると言えます。
  • Microsoft Bingの順位取得
    一部のツールでは、Googleだけでなく、Bingの順位も取得できます。「Bingの順位なんて取得して意味あるの?」と思うかもしれませんが、あなたがもしもBtoBビジネスを行なっているのであれば、Bingの順位取得は必要かもしれません。特に、WindowsのPCはデフォルトのブラウザがEdgeになっており、Bingの検索エンジンを使って検索を行います。対象顧客がBingを利用しているのであれば、Bingの順位取得も行うべきでしょう。
  • 地域検索(ローカルSEO)への対応
    特定に地域で検索したときの検索結果に基づいた順位取得を行う機能です。Googleは現在地に基づき検索結果をより便利なものにしています。例えば、福岡県福岡市博多区付近で「ラーメン」と検索すると、博多駅付近のラーメン屋の情報が出てきます。このように、検索順位は位置情報の影響を受けますが、一部のツールでは「〇〇県〇〇市で検索したときの検索順位」のように、位置情報を指定した上で順位取得を行えます。特に来訪型のビジネスを行なっているのであれば、地域検索へ対応しているツールを利用すると良いでしょう。

ここでお伝えしたのは、あくまでも一部の機能です。
他にもツールごとにいろいろな機能が備わっていますので、無料トライアル等を活用しながら、自社の利用シーンに適したものを選んでみてください。

サポート体制

最後にお伝えするのは、ツールの機能というより、何かあったときの安心感です。
例えば、使い方が分からない・うまく動作しないなどの問題が発生したときに、その課題を解決するためのサポート体制が整っているかどうかを確認します。

具体的には、実際にツールを利用し不明点等あれば、お問い合わせを入れてみるとサポートの質がわかるでしょう。
例えば、サポートの質は以下のような点からわかります。

  • サポートへの問い合わせ導線のわかりやすさ
  • ユーザーの声を元にツールが改善されているか
  • お問い合わせから返信が来るまでのスピード
  • お問い合わせに対して意図した回答が来ているか
  • 不具合が生じたときのサポートの態度
  • 不具合が生じてから解消するまでのスピード
  • 電話やZoomなど、メール以外の方法でサポートしてくれるか

このような点を確認していただきながら、そのツールのサポート体制がどの程度の質なのかを見極めてみてください。

検索順位チェックツールのSEOへの活用イメージ

順位チェックツールを利用し始める上で、ネックになるのが「本当に使いこなせるのか」という問題です。
毎日順位が取れたとしても、そのデータを活用してWebサイトを改善しなければ、ツールは意味をなしません。
そこで、ツール導入後にデータをSEO改善へと役立てられるよう、順位チェックツールの活用方法を5つに絞ってご紹介します。

※大変恐縮なのですが、私が普段利用しているツールがNobilistaなので、Nobilistaを用いたSEO施策の立案や実行方法になります。

  1. 日々の順位計測とアルゴリズムの分析
  2. クライアントへのデータ共有
  3. PLPの監視
  4. 検索順位改善を目的としたリライト

それでは、ひとつひとつ解説してみます。

日々の順位計測(効果測定)とアルゴリズムの分析

まずは定番の活用方法ですが、日々の順位計測とGoogleアルゴリズムの分析を行います。
順位計測についてはさまざまなアプローチ(角度)で順位の推移を見ていきながら、WebサイトのSEOの進捗を評価します。

1、キーワード単位で順位の推移を見る

2、前日から順位が下がったものだけを確認する

3、前日比だけでなく、1ヶ月前比で中期スパンの成果を確認する

以上のような形で日々の順位変動や、1ヶ月前からどのように順位が変化したのかを確認します。
例えば、前日から順位が下がったキーワードがいつもより明らかに多い場合、Googleの検索結果を作るアルゴリズムに何かしらの動きがあったと想定されます。

そのような場合、一旦手元で行なっているSEO施策をストップさせ、Googleの公式情報を確認しましょう。
もし、コアアルゴリズムアップデートなどの大掛かりな仕様変更があった場合、自社だけでなく競合Webサイトの順位も大きく変動している可能性が高いです。

4、競合比較レポートで競合サイトの順位の推移も見てみる

例えば、外部から多くのリンクを獲得しているWebサイトの順位が上昇し、そうでないサイトは大きく順位を下げている場合、Google側で被リンクやE-E-A-T周りの調整を行なっていると仮説が立てられます。
そうすると、今までコンテンツなどの内部施策に注力していたリソースを、外部対策に回すなどの転換が必要です。

このように、日々の順位計測や競合他社の順位情報取得により、Googleアルゴリズム全体の分析も行うことができます。
まずはベーシックな活用方法として、参考にしてみてください。

クライアントへのデータ共有

続いての活用方法は、クライアントへのデータ共有です。
SEOコンサルティング会社やWeb制作会社などでは、定期的にクライアントに対して、検索順位に関するレポーティングを行なっています。

その際、通常であれば以下の手順を踏むと思います。

  1. 順位情報の取得
  2. データのダウンロード
  3. データの加工
  4. クライアントへ提出

Nobilistaの場合、GoogleスプレッドシートやFigmaなどのように、共有URLを発行します。

1、メニューの「共有」をクリック

2、任意のWebサイトを選択し、URL情報を発行・コピー

ちなみに、ここで発行したURLはブラウザで読み込むとアクセスできるのですが、「パスワード認証の付与」をONにすると、URLアクセス時にパスワード入力を求めることができます。(セキュリティ面の不安もなくなります)

このような共有機能を利用することで、代理店や制作会社側がレポートを作成したり提出することなく、いつでもクライアント側で順位情報を確認できるようになります。
もしもレポート作成や提出などで時間がかかっているということでしたら、こちらの共有機能を導入していただくことで、大幅な工数削減ができるかもしれません。

PLPの監視

続いての活用方法はPLPの監視です。
意外と知られていない指標ですが、SEOでは「PLP」という概念の理解と監視、改善が必要です。

PLPとは、Preferred Landing Pageの略で、意図的に検索結果へ表示させたいURLのこと。
例えば、関東各県でパーソナルジム事業を行うA社が、自社のWebサイトで、店舗が存在する「各地域名+パーソナルジム」というキーワードで上位表示を狙っているとします。

当たり前のことですが、「新宿駅前」に所在するパーソナルジムであれば、「新宿 パーソナルジム」などのキーワードに対し、「A社の新宿店のページ」がランクインする必要があります。
しかし、「新宿 パーソナルジム」というキーワードに対し、「群馬県 前橋市 前橋駅前店のページ」が表示されるとどうでしょうか。
仮に該当キーワードから検索ユーザーがページにアクセスしても、事前に想定していたページではないため、体験申し込みにはつながらないでしょう。

このように、SEOを行う場合、キーワードに対して、自社サイトのどのページを優先的に表示させたいかを決める必要があります。
また、その優先的に表示させたいページのことを「PLP(Preferred Landing Page)」と言うのです。

Nobilistaの場合、以下のようにレポート画面に「優先URL」という列があります。
ここでは、キーワードごとに事前に設定したPLPがランクインしていない場合「×」、正規のページが表示されていれば「●」の表示が出るようになっています。

例えば、上記の画像を例にすると、「nobilista 料金」「nobilista 機能」というキーワードにおいて、PLPが一致していないようです。
さらに、「nobilista 機能」というキーワードに絞って詳しく見てましょう。

「nobilista 機能」というキーワードでは、「URL列」の表示が「2」になっています。

これは、「nobilista 機能」というキーワードで、自社サイトのページが2つランクインしていることを意味します。

では、その2ページとはどのページのことでしょうか。
以下のように、ランクインしているURLの詳細を見てみましょう。

確認してみると、トップページ(非PLP)が1位、機能に関するページ(PLP)が2位に表示されていました。
「nobilista 機能」というキーワードにおいては、機能について詳細に解説したページ(PLP)を1位に表示させたいと考えますので、きちんとそのような表示になるよう、調整をかけていく必要があります。

具体的には、上記2種類のページのtitleタグやページ内容の見直しが必要です。
「nobilista 機能」というキーワードで検索するユーザーの検索意図を把握し、そのニーズに合わせたページ内容にするなどの施策を立案すると良いでしょう。

検索順位改善を目的としたリライトの優先順位決め

順位計測の目的は、SEOの効果測定を行うことであり、その測定結果に基づいて施策を実行し続けることです。
そのため、検索順位の改善を目的にリライト(記事内容の見直しと修正、追記)も行います。

例えば、多くのWebメディアは公開している記事数が500以上あることも多いので、全記事を定期的にリライトすることは難しいでしょう。
そこで、どの記事からリライトしていくか、優先度をつける必要があります。

その際に役立つのがNobilistaのレポート画面です。
Nobilistaの各種データを使いながら、どのように優先順位づけを行なっていくかをご紹介します。

まずは、便宜上キーワードレポートデータをCSV形式でダウンロードします。
そして、エクセルファイルに変換し、Googleスプレッドシートで表示させたのが以下の画面です。

記事の順位改善を目的としたリライトを行う場合、私の感覚で最も結果が出しやすいのが、5位〜10位のものを3位以内に持っていくケースです。
そのため、フィルタ機能を使って、当日の順位が「5〜10」のものに絞り込みます。

絞り込みが完了しました。
以下で表示されているキーワードやURLが最速で成果を出せるものになります。

ここからさらに優先度の高いものに絞り込みます。
以下は分かりやすいように、難易度が20以下、優先URL(PLP)が一致したものに色付けしたものです。

難易度が低い(20以下)ということは、比較的上位表示を狙いやすい。
優先URLが「○」のものは、コンテンツの重複やキーワードカニバリが生じていないということです。
そのため、両方を満たせているキーワードは順位改善が早いタイミングでできると想定します。

というわけで、「まずは以下のキーワードから優先的に順位改善を行なってみよう」と優先順位を決めることができます。

ここからはNobilistaの競合比較レポートや、Google Search Consoleなどを利用しながら、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツ改善へと進めていただければと思います。

ただし、注意点としてここまでのお話はあくまでも「成果をいち早く出す」ことを目的に優先順位を決めています。
つまり、緊急ではないけど重要なキーワードへの対策を想定していないため、そのようなキーワードへの対策がいつまで経ってもできません。

ですので、今週は「成果速度を念頭に」、来週は「検索ボリュームの大きなキーワードを中心に(すぐに成果は出ないけど、長期的に上位化させたいもの)」など、軸を変更しなら活用いただくのが良いでしょう。

PR:Nobilista使ってみてくださいね。

最後にちょっとしたPRです。
自社で検索順位チェックツールを導入したいとお考えでしたら、一度Nobilistaをお試しください。
このページでお伝えしたように、さまざまな活用方法があり、特にWeb制作会社やSEOコンサルティング会社のお役に立てると思います。

現在無料トライアル期間も設けられており、最初の7日間は0円で登録プランの全機能を利用することができます。
有料プランの利用開始にはクレジットカードが必要ですが、トライアルを開始するときはクレカの登録は不要です。
料金体系も990円〜となっており、かなり負担が低いと思います。

もし色々とご検討中でしたら、以下より公式サイトもご覧ください。

Nobilista公式サイト